パソコンはもともと、「人間の知的パフォーマンスを引き出すツール」だ。
スティーブジョブズは、たしかこんなことを言った。
「人間は自転車という道具を作り出したことで、自分の足で歩くよりも楽で速く遠くへ行くことができるようになった。
人間が自分の足で歩くのはエネルギーの効率が悪いが、自転車は、同じだけのエネルギーをより効率的に前に進む推進力に変えているのだ。
私は、人間の知的生産において “自転車” となるようなものを作りたい」
ジョブズが作ったのは apple の mac だが、今回紹介するのは windows。
いずれにしても、コンピュータのOS やソフトウェアのエンジニアや設計者たちは、私たちができるだけ簡単に効率的に操作できるようにさまざまなショートカットやコマンドを用意してくれている。
パソコンを使った仕事においてこれらのショートカットを使いこなさないのは、せっかく自転車を買ったのに、乗らずに押して歩くようなものだ。
ビジネス本などで「効率化の鬼」というイメージがあるコンサルタントの人が実際にパソコンを使う場面を何度か見る機会があったけれども、やはりショートカットを使いこなしていて、操作に無駄がなかった。
彼らはパソコンに備わるあるあらゆる効率化コマンドを使いこなしているからこそ、限られたプロジェクト期間でえげつない量のアプトプットができる。
同じパソコンを使うにしても、コンサルタントのパソコンの使い方は、僕のような一般人から見たらまるで 21段変速のロードバイクに乗っているようなものだ。そのくらい、知的活動の自転車たるパソコンを使いこなしている。
最近では、大学生が一人一台パソコンを持っていて、そこでレポートや研究をすることも多くなった。
周囲の大学生がパソコンを使っているのを見ると、まだまだ効率化の余地があると思ってしまう。
これまであまりパソコンを使ってこなかった大学生がいきなりパソコンを持っても、自転車の乗りこなし方は分かっていないのも無理はない。
僕のような理系にとっては、特にグループ共同で実験でパソコンを使う時に、パソコンスキルの差が顕著に出る。
グループに一人パソコンになれていない人がいると、その人が作業し終わるまで待たされることだってある。
大学時代、あるいはそれより早い時期からパソコンに触ってきた「パソコンネイティブ」な人はまだ幸運だ。
30代やそれ以上の「パソコンネイティブ」じゃない世代が業務でパソコンを使っているのを見ると、ショートカット一発でできることをわざわざマウスでカチカチやっているのを目にすることもある。
PC作業効率化の原則
コンピュータ作業を効率化する原則は2つある。
それは、「ショートカットを使いこなして、キーボードとマウスの持ち替えを極限までなくす」「キーボードと画面の目線の切り替えを減らして、キーボードのタイピング速度を上げる = ブラインドタッチを覚える」ことだ。
どちらにせよ「切り替えをなくす」ことが共通している。
えらそうな前書きになってしまったけれども、自分自身が日常で無意識的に使っているショートカットやコマンドを、改めて棚卸してここにメモしておきたい。
「コピーアンドペースト」みたいな基本的なものは省略してある。
Windows 全般のショートカット
デスクトップに戻るのにマウスはいらない
たくさんウィンドウを立ち上げた状態でデスクトップ画面を出したいときに、ウィンドウを一つ一つ最小化して「埋もれた」デスクトップをやっと発掘しようとする人がいる。
しかしながら、デスクトップに戻るのは「Windowsボタン(大抵は、キーボードの左下) + D」で一発だ。
Dは、デスクトップの D。ショートカットは何かしらの語呂と絡んでいることが多いので、絡めて理解すればそれほど苦労はない。
ちなみに、windows 10 なら、画面右下の小さい縦長長方形のところをクリックすることでも、デスクトップに戻れる。
シャットダウンのためにマウスは使う必要ない
シャットダウンするために、スタートボタンをクリックして、電源マークをクリックして、、、みたいなパソコンスクール的な操作でシャットダウンしている人はまだ多い。
シャットダウンは、win + x(windws ボタンと x の同時押し)→ u → u だ。(windows のバージョンによっては、できないこともある)
win + x は、スタートボタンのオプション的なものが立ち上がる。
最近はパソコンも進化して、電源ボタン一発でシャットダウンができてしまうものもある。そもそも、パソコンをいちいちシャットダウンするという発想がない人に最近出会うようになってちょっと驚いている。
作業画面(アクティブウィンドウ)の切り替え
これは、Alt + tab でできる。(キーボード左下のAlt を最初に推したままにして、左上の tab ボタンをカチカチおすイメー次)
画面がたくさんあってtab ボタンを押し過ぎたときは、「Alt + tab + shift」を押せば一つ戻ることができる。
他のショートカットでも、tab ボタンは一方向にしか順番に切り替えていけないが、「Shift」ボタンを一緒に推すことで逆方向に一つずつ切り替えることができる。
右クリックは右クリックしない
windowsにおける右クリックは、いろいろなオプションを出すための操作。
しかしながら、キーボードを叩いている流れから手をマウスに持ち替えて右クリックするのは思った以上にロスがある。
右クリックに相当する操作は、実際にマウスの右を押す以外の方法で僕は行っている。
一つ目は、コントロールパッドを二本指で軽くタッチする方法。
数年前のノートパソコンには、タッチパッドのところに右クリックと左クリックのボタンがついていたが、surfaceやそのほかの最近のパソコンは、これらのボタンがついていない。そういう機種を既に使っている人は、実践している人も多いはず。
しかしながらこの方法では、どうしても指をキーボードから離す必要が生じる。
キーボードのショートカットとして右クリックオプションを出すには、キーボード右下ら辺にある [三] みたいな感じのボタンを押せば、右クリックと同じ効果を発揮する。
もしくは、Shift + F10 を押すことでも右クリックになる。
(ファンクションモードを有効にしておくことが必要。Fn ボタンにランプがついていれば OK 。ランプがついていない、そもそもランプが備わっていない場合は、Fnボタンを一度押せばファンクションキー全般が使えるようになるはず。)
操作の前後の文脈によっては、ノートパソコンのキーボードから手を放す必要がないこれらの方法で右クリックオプションを出した方がいい。
タスクバーを使いこなすべし
widnows におけるタスクバーは、画面左下の、スタートボタンの隣にある領域。
デフォルトの設定だと、この部分にMicrosoft Edge (ブラウザ) のアイコンとかが置かれているはず。
ちなみに、自分自身のタスクバーは次のような感じ。
(コルタナの検索窓は、邪魔くさいので非表示にした。)
ここで、一番左にあるGoogle Keeo (電球マークのやつ)を立ち上げるには、「windowsボタン+1(数字ボタン)」
左から二番目のGoogle Chrome を立ち上げるには、「windowsボタン+2」、
左から3番目のOne Note を立ち上げるには「windowsボタン+3」。
自分の好きなようにタスクバーの打順を決めれば、いちいちプログラムを探さなくても一発で立ち上げられる。
画面分割
windows ボタンを用いたショートカットに触れたので、ここでもwindowsボタンのショートカットを深めていく。
ブラウザの画面を見ながら、Excel に入力していく、みたいな2つのソフトを同時に画面に表示させながらさぎょしたいときもある。
そんな時は、まずはブラウザのウィンドウを選択して(復習になるが、アクティブウィンドウの切り替えは Alt + tab )、「windowsボタン + ←」でブラウザの画面が左側に寄る。
同様にして、Excelの画面をアクティブにした状態で「windowsボタン + →」でExcelの画面が右側に寄る。
こうすることで、1つの画面上で2つのソフトウェアが画面が同時に見られる。
画面の最大化、最小化
「windowsボタン + ↑」を押せば、アクティブウィンドウが最大化、
「windowsボタン + ↓」を押せば、アクティブウィンドウが最小化する。
先ほどの画面分割の方法と併せて覚えておきたい。
ファイルエクスプローラーはwin + E
なんやかんやで、パソコンを使う時はファイルエクスプローラー(ファイルやフォルダを選ぶ画面)を立ち上げることが多い。
古典的な方法ならば、スタートボタンから「マイドキュメント」みたいなところを押して進む方法を覚えていた人も多いかもしれない。
ファイルエクスプローラーは win + E で立ち上がります。
ブラウザの効率化操作 (主にChrome を想定)
ここでは、ブラウザの操作のショートカットを説明する。
パソコンでブラウザを使う仕事も意外と多い。
ブラウザ作業は、「検索するときはキーボードを使って、あとはマウスで操作すればいい」と思っている人も多いかもしれないが、キーボードのショートカットを覚えた方が効率的な面も多い。
それに、ブラウザのショートカットは、windows のファイルエクスプローラーなどの他のショートカットと意味合いが似ているものもあるので、覚えておくとその他の作業効率化のヒントにもなる。
画面スクロールは、マウスパッドを二本指で操作
スマホなら。ゆびでスライドするだけで画面スクロールができる。
PCでwebページを上下にスクロールしたいときは、画面右のバーをドラッグするか、キーボードの矢印ボタンを押すのが正攻法だ。
これらの方法でスクロールするのは、意外と思い通りに画面を進められないことがあるし、何かと不便だ。
ノートパソコンのマウスパッドのところを二本指で上下にスクロールすることで、画面をスクロールできる。(ブラウザでも、その他のソフトでも共通)
ページを戻る場合は、Alt + ←
webブラウザで一番多い操作が、「前のページに戻る」こと。
ブラウザ左上のボタンにマウスを動かして押すのは非効率だ。
前のページに戻るには、「Alt + ←」で戻る。一つ進むには、「Alt + →」でいい。
ちなみに、ファイルエクスプローラーでも Alt + 矢印 のショートカットは同様な意味になる。
特にファイルエクスプローラーでは、「Alt + ↑」で一つ上の階層に移動できることを覚えておきたい。
Ctrl + K で一発検索
google 検索をしたいときに、いちいちGoogle のホームページに行く必要はない。
Ctrl + K でカーソルがURLバーを選択するので、そこに検索ワードを入力してエンターボタンで一発検索できる。
Ctrl + L でURL部分を選択
Ctrl + L を押したときは現在ページのURLを選択状態になるということ。
URLをコピーしたいときに、Ctrl + Lを活用したい。
ファイルエクスプローラーで Ctrl + L を押せば、ファイルのディレクトリ部分のバー選択状態になる。
ファイルのパスをコピーしたいときは、URLの選択と同様にこの方法が有効だ。
「タブ」と「ウィンドウ」をうまく使い分けて情報収集を効率化する
ctrl + t で新たなタブが立ち上がり、ctrl + n で新しいウィンドウが立ち上がる。
現在開いているタブを閉じるには、ctrl + w で閉じることができる。
情報をリサーチしている時に、「タブ」と「ウィンドウ」の軸を使い分ければ、テーマを深めたり広めたり自由自在に使える。
Ctri を押しながらリンククリックで、新しいタブでページを開く
「Ctri を押しながらリンククリックで、新しいタブでページを開ける」ことも覚えておきたい。
Google 検索から、複数のページを一気に見たいときもあるはず。
そんな時は、Ctril を押しながら検索結果のリンクをクリックすれば、アクセスしたいページのタブが隣に立ち上がる。
この方法で、Google検索結果のページはそのままに、上位 3ページを同一ウィンドウの複数タブに展開することができる。
ちなみに、Shitf を押しながらリンクをクリックすると、新しいウィンドウでページが立ち上がる。
Ctrl + tab or Ctrl + 数字 でタブ移動
同一ウィンドウに複数のタブを開いたとき、「Ctrl + tab」で隣のタブに移動できる。
この時さらにShitを押せば、前のタブに戻ることができる。行き過ぎた時に便利だ。
これでもう、タブやウィンドウの切り替えの時にマウスを使うのはおさらばだ。
Ctrl + 数字で、右から (数字) 番目のタブを選択できる。
Ctrl + shit + t で、消した直前のタブを復活
win + w でタブを消去したものの、やっぱりそのタブを見たくなった時があるはず。
そんな時は、Ctrl + shit + t で、消した直前のタブを復活できる。
1回押せば1つ前に消したタブ、2回押せば2つ前に消したタブ… として、記録されている限りのタブを再表示させることが可能。
Chromeにログインして履歴がとられていれば、パソコンを立ち上げた直後、前回開いていたタブを復活することができる。
これで、作業再開がスムーズになる。
総括
本当はExcel とかのショートカットも書こうと思ったけれども、windows 本体の基本操作とブラウザ操作のショートカットを書いていたら相当な分量になってしまった。
「ほとんどの操作には、ショートカットが存在する」
この原則を覚えておきたい。僕自身も、まだまだ知ってるショートカットは氷山の一角だ。
「この操作、もっと楽にできないか?」と思ったら、ショートカットを調べてみるクセを付けておきたい。
日々使っていれば手が勝手に覚えてくれるので、「暗記しよう」と意気込む必要もない。
ここに書いたことを、一気に覚えなくていい。「ショートカットで、こんなにも便利なんだ」ということを知るきっかけになればいいと思っています。
ショートカットを少しずつ意識して日々のPC業務を積み重ねていけば、そのうちマウスを使ってばっかりの人と生産性の面で大きな差がつくはず。