デュアルライフのデメリットと、克服法について

「デュアルライフで、自由で幸せな生活が手に入る」みたいな主張がされていることも多いけれど、物事、そんなに単純なものではない。

別に記事で「デュアルライフのメリット」について紹介した。ここの記事では、デュアラルライフのデメリット、デュアラルライフを実践する上でのネックになる部分に向き合っていきたい。

デメリット1:移動時間が負担。可処分時間が減る

「デュアラーのメリット」の記事の冒頭で、「デュアルライフ=自由 と捉えるのは、デュアルライフを誤解している」と説明した。

自由というのは、多くに人にとって、「自分にとって自由に使える時間」、すなわち「可処分時間」が多いことである。

デュアルライフは、都市部と地方部を行き来する二拠点生活。当然、行き来する頻度が高くなると、移動時間が増え、自由に使える時間が減る。

「二拠点生活で、普段は都市部で働いて、オフの日は地方でゆっくりしよう」と思っても、移動時間で疲れてしまっていては、デュアルライフでのリフレッシュ効果が半減してしまう。

移動時間を自分なりに楽しめる人、移動すること自体が好きな人でないと、デュアルライフは向いていなさそうだ。

デメリット2:交通費がかかる

デュアルライフをする上で、交通費も無視できないコストになるだろう。

独身の人が、東京と高知で二拠点生活をするとしよう。東京から高知龍馬空港の飛行機のチケットは、片道約1万5千円。(購入時期、時間帯によって変動有り)(数か月前から早めにチケットを取っておけば、片道1万円に抑えることができる)

2週間に1回、高知でリフレッシュすると考えると、年間で26往復。

片道1万5千円 × 2(往復) × 26回 = 78万円。

飛行機のチケットを工夫して予約して片道1万円に抑えたとしても、年間で52万円の出費。これは、無視できない金額だ。

二拠点生活するだけで年間50万円も交通費で飛んでいくことを考えたら、「50万円を家賃に回して、都内でもう少しいい場所に住もう」ということにもなるかもしれない。

ケース2として、家族でデュアルライフするパターンで、東京と千葉の房総半島で二拠点生活することを考える。

家族なので、公共交通機関での移動は人数分の運賃がかかってしまう。車で移動することを選ぶ人が多いだろう。

首都高の用賀 から東京湾アクアラインを通って、千葉県の館山まで移動することを考える。

片道約1時間30分で、距離は95km、料金は3,130円だ。こちらも2週間に1度、家族でデュアルライフを楽しむとする。

燃費が15km 、ガソリンが150円とすると、ガソリン代は1往復あたり2000円といったところか。

なので、1往復での高速料金+ガソリン代は 8,000円。年間26往復だと

8,000円 / 1往復 ×26往復 / 年間 = 20.8 万円 / 年間

家族での移動を考えたら、年間20万は思ったよりも安上りな結果だ。

地方で毎日車乗っていると、ガソリン代は年間20万くらいになるので、地方で毎日車乗っているコストと同じくらいと思えば、それほど高くはない。

デメリット3: 家賃が2つ分かかる

東京は、家賃が高い。家賃にかけられる費用に制約がある人は、家賃の高い中心部を避けて、自分の身の丈にあった場所に住むことになる。

家賃を下げる=都心or 駅から離れたところに住む ということになるから、家賃が下がると引き換えに、通勤時間が長くなることを覚悟しないといけない。

それでも、家賃は高い。都心から離れたワンルームで6万円はかかるし、地方で6万円あれば、1LDKくらいのそこそこゆったりとした部屋に住める。そのくらい、東京の家賃は高い。

ただでさえ高い東京の家賃+二拠点先の家賃 を払わなければいけないと考えると、デュアルライフすると家賃の負担で押しつぶされそうになると思われるかもしれない。

ところが、最近は新しいデュアルライフのスタイルが登場してきている。それは、「コリビングサービス」や「民泊」の活用だ。

究極いってしまえば、サブ拠点の住まいは、自分の「居場所」さえあればいい。しっかりした賃貸の「自分の部屋」というスタイルじゃなくても、民泊やシェアリビングサービスに数千円払えば、数日間滞在する間の寝る場所、そして居場所が確保できる。

固定費を増やさずに寝泊りができるサービスが増えてきたことで、今後はもっと柔軟なデュアルライフをする人が増えていくように思われる。